こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。
「校庭に牛が入ってくる小学校」
皆さんは想像できますか。
私たちが村落開発支援プロジェクトを実施している地域は、1960年代後半のベトナム戦争に巻き込まれて以降、約30年に渡る戦闘によって大きな被害を受けた地域です。
特に、地雷・不発弾による汚染がひどく、道路・水道建設などのインフラ整備の難しさから、首都プノンペンやアンコールワット遺跡のあるシェムリアップなどの都市部の経済発展に取り残されている現状があります。
私たちが活動を行なっている地域のひとつに、ロカブッス村という村があります。
タイ国境付近に位置するこの村も、地雷による汚染の影響を例外なく受けています。
ロカブッス村において、人々の生活圏内の地雷撤去が完了したのは2010年と、最近のことです。
ここで、敢えて書いておきますが、「地雷撤去完了」と言っても、ある土地から地雷が完全になくなったと判断するのは非常に難しいのです。そのため、「地雷原として指定されている場所の地雷撤去が終わった状態」を撤去完了とし、その地域を元地雷原とさせていただきます。
元地雷原であるロカブッス村で、私たちは事業を行なっているのですが、村の小学校の校長先生からこんなことを言われました。
「学校の敷地を囲うフェンスが欲しい」
その理由を訊くと、冒頭のような返事が返ってきたのです。
家畜として村人たちが放牧している牛が学校の運動場に入ってきて、校庭で育てている野菜や花を食べてしまうそうです。
ロカブッス村の風景です。
村落開発支援プロジェクトを実施している村のひとつ。ロカブッス村のご紹介。#カンボジア #村落開発 #国際協力 pic.twitter.com/PGvmj5v67K
— Yuki Nobuoka@カンボジア (@yuki_nobuoka) 2017年7月6日
カンボジアの学校も、一般的にはフェンス等で敷地が囲われています。
しかし、ロカブッス村など農村部の学校の中には、フェンスがない学校も存在します。
校長先生や村長さんと話し合い、今後の村の計画を進めていく上でもフェンスが必要だという結論に至りました。
しかし、ただ単純にフェンスの建設をサポートしないのが駐在員 江角のこだわり。
「僕たちの知らないもので、生活の役に立つものが自然の中には数え切れないほどある」
といつもそこにあるものを見つけ、活かそうとしてきました。
今回もフェンスを作るにあたって何か良いものがないかと、インターンの川島やカンボジア人スタッフらが村を歩いていると、様々な植物で家のフェンスを作っている村人を発見しました。
村人から話を聞いてみると、どうやらそれらの植物は村のあちこちで生えているそう。
協議の結果、「奇跡の樹」として注目を集めているニームや、スーパーフード(アサイー・チアシードなど)よりも栄養価が優れていると言われるモリンガ、「神の贈り物」とも称されるチャヤなど、豪華な5種類の木を学校の周りに植えて、フェンスを作ることになりました。

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ロカブッス村や、隣の村から苗・種を集めてきて、月曜日に第1弾 ロカブッス村小学校フェンスを作ろう大作戦を開催しました。
ちょうど、私たちの活動地に視察に来られていたリタワークス株式会社の佐藤さま・中嶋さまのお力も借りて、雨が少なくかちかちに乾いている地面を掘っていきます。
きちんと列になるように、学校の生徒たちや先生も力を合わせて、どんどん穴を掘ります。
そして、集めてきた種・苗を植えていきます。
今回は、学校の裏側に3種類しか埋めることができませんでしたが、大きな一歩です。
これまでフェンスがない、という不満を抱えていても、フェンスを買うお金がないこともあって行動に移せなかった先生たち。
でも、解決策は村の中にあったのです。
しかもこの5種類の植物は、カンボジアでも昔から食用や医療用に使われてきたものです。ただ、牛から校庭を守るだけでなく、木のフェンスが出来上がったら、その葉っぱを食べることができます。薬を作ることもできます。
「ないもの」を満たしていくことはもちろん大切です。
でもそれだけではないのが、私たちのやり方。
あるものを見つけて、それらがうまく力を発揮できるような環境を整備する。
それこそ、私たちにできること、やるべきことだと、今回のフェンス作りの経験が改めて教えてくれました。
リタワークス株式会社さまの詳細はこちら。
ritaworks.jp