新卒NGO職員がゆく。|延岡由規のブログ

気にしていたいのはいつだって、世間よりも「世界」だ

ヴィジョン実現に向けて、村のおっちゃん達と話す。

 

こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。 

 

今週もフィールド三昧でした。最近、平日は基本的にフィールドに行っています。月曜日の夕方、あるいは火曜日の朝イチで街を出発して、車で約2時間。カンボジア西部のカムリエン郡というタイ国境付近で、私たちはプロジェクトを実施しています。

 

今日、お伝えするのは村落開発支援プロジェクトの対象地域のひとつ、ロカブッス村です。

村落開発支援プロジェクトの背景や目的は以前の記事を。
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水曜日、木曜日と、村長さんはじめ、村のリーダー的な存在の人たちとミーティングをしてきました。

 

 

7月に村人達と決めた、村のヴィジョン

「自立と自治」を促進するために、村では毎月1回、自治会を開催しています。今年の7月に行なった自治会では、村のヴィジョンが決定しました。

と簡単に言ったものの、そこに至るまでには何度も何度もリーダー達とワークショップや話し合いをしてきました。

私たちの考える「ヴィジョン」と、リーダー達が思いつくそれは少し次元の異なる話で。手段と目的の認識が違っていたというか。

紆余曲折ありながらも、リーダー達との話し合いの中で、何とか村人達にも発表できるようなものができあがったので、7月の自治会の際に議題にあげたのです。

 

「コミュニティの中の家族が、最低限の生活を送れるようになる」

 

村の人達からも同意を得られ、ロカブッス村が今後目指していく方向性が明らかになったのです。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka
ロカブッス村 リーダー達とのミーティング風景

 

 

実現に向けた今後の活動

ヴィジョンが決まると何が良いかって、色々あるんですが。

一番は、これから実施していく活動が、やるに値するかを決める判断基準、判断の軸になることです。組織にしろ、個人にしろ、ヴィジョンがはっきりしていると、あらゆる行動選択における判断がしやすくなります。

最終の目的地が決まっているのだから、そこにたどり着くために適切かどうかを、下に降りていって考えることができるのです。

 

 

さて、ヴィジョンは決めただけでは意味がありません。

そこから具体的な活動におろしていくためのプロセスとして、ミーティングを実施したのです。

 

具体的な内容はここでは省きますが、それぞれがアイディアを出し合って、かなり白熱した議論になりました。カンボジアの人達、とまとめるのは微妙なところがありますが、割と大勢の前だと自分の意見を言うのが得意じゃないような気がしています。

これはポル・ポト時代の名残でもあるのかもしれません。

当時、反ポル・ポト派を掃討するために、密告制度が採られていたとかで、あまりオープンに想いや考えを言えなくなっているのかもしれません。

ただ、顔の知れた関係で少人数のグループだと、ものすごくよく喋ります。いつの間にか喧嘩になっていやしないかと、ひやひやするほどの迫力です。笑

 

この2日間でひとまず、形になりそうなアイディアがまとまったので、良しとしよう。

 

 

大事なのはバランス

ミーティングに参加していて改めて考えたのはこのこと。

 

私たちのプランを押し付ける形にならないように。

でも、アイディアを選択肢のひとつとして提示する必要もある。

ただし、私たちのアイディアが無批判に歓迎されて、議論も無く採用されてしまっては意味がない。

 

私たちが目指しているのは、村の「自立と自治」だから。

村の人達は、私たちの「操り人形」ではないのだから。

 

そうは言っても、知らないことは考えようもありません。皆さんも、きっとそうでしょう。

 

例えば、私の苦手なことを克服するためのアクションプランを一緒に考えてくださいとお願いしたとしても、私のことをほとんど知らないあなたはアイディアを思いつくことは困難なはず。

 

そうなった時、どこまでこちら側から情報、アイディアを提示するか。

ここの見極めが非常に難しくもあり、面白いところでもあります。

 

 

村の運営を最終的に行なっていくのは、やはり村に住んでいる人達。

そこを見失わないようにバランスをとりながら、今後の活動を展開していきます。

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途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法

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