新卒NGO職員がゆく。|延岡由規のブログ

気にしていたいのはいつだって、世間よりも「世界」だ

現場における事業と事務所と私と。

 

こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。

 

現在、認定NPO法人テラ・ルネッサンスはカンボジアに事務所を2つ構えています。
バッタンバン市内のメインオフィスと、活動を実施しているカムリエン郡にあるフィールドオフィスです。

ここ最近は、平日のほとんどをフィールドで過ごしており、宿泊部屋もあるフィールド事務所で寝泊りをし、金曜日に街に帰って来ることがほとんどです。

 

モニタリング調査のために対象者のお家を訪問しても、仕事に行って誰もいなかったり。

雨が降ったせいで道が悪く、目的地の村までたどり着けなかったり。

とにかく、フィールドでは想定外のことが起きるのが当たり前なので、ハプニングも想定しながら、ある程度柔軟に動けるように予定を立てていきます。

そんなフィールド事務所では、翌日のスケジュール共有を主な目的として、大抵は晩ご飯を食べた後に終礼を行なっています。

昨日の晩も、カンボジア人スタッフ6人と私で終礼をしたのですが、それぞれの想いが止まらなくなり、2時間弱ほどかけて話をしました。

 

4月からここまで、駆け抜けるように動いてきたのですが、自分自身の役割や立ち位置について、仲間と話をすることで落ち着いて考えられる良い時間となりました。

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フィールド事務所にて カンボジア人スタッフらと

 


異文化の人と働く

これは海外の現場で働く者の醍醐味でもあります。(団体によっては日本人だけで現場事業を回しているところもあるのでしょうか、、)

日本国内の企業や団体においても、海外スタッフがいるところはあるかと思いますが、あくまでもフィールドは日本になります。いわば、ホームです。

しかし、カンボジアに来ると、あえて言うならアウェイになります。

 

「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、いくら日本のNGOだとは言え、現地の人と働く上では、その地の文化や習慣などをリスペクトし、大切にしていくのは当然です。

 

ただ、外部者だからこそ見えることや、持ち合わせている知識・スキルもあるわけで、その辺りを押し付けがましくない程度に、どこまで提示して擦り合わせていけるかのバランスを取るのが難しくもあり、楽しいポイントでもあります。

 


「カンボジアの文化だから」

詳しく書くことはしませんが、カンボジア人スタッフの話を聴いていて、仕事をする上で何か問題があり、解決に向けたアイディアを提示すると、しばしば言われるのがこの言葉です。

 

「それも良いと思うけれども、カンボジアの文化はこうだから」

 

それも踏まえて、何か改善に向かうための策を一緒に考えていこうとするのですが、「文化」という厚い壁を目の前に、議論が進まないことも少なくありません。

そこで引くのか、あるいはこちらが思う改善策をさらに提示するのか、バランスが難しいところです。

同時に、現地の人と働く楽しさもここにあると感じています。

 

 

日本人スタッフとして

現地事務所の運営とプロジェクトの運営は類似点が多いような気がします。

私はあくまでも「外から来た人間」です。

日本で生まれ育った私が、カンボジア人とまったく同等のバックグラウンドを有することはこの先も不可能でしょう。

プロジェクトと同じく、最終的には現地の課題を、現地の人達が解決できる状態が好ましいし、そこを目指してスタッフ達と関わっていくべきだと、私は思います。

そこで、日本人スタッフとしてカンボジアに来ている自分にできることはなんでしょう。

 

これもプロジェクト実施と同じく、スタッフ1人ひとりのオーナーシップを高めることであったり、それぞれが持っている力を発揮できるような労働環境を整えていくことであったりすると思います。

 

要するに、「誰かの事業」「誰かの事務所」ではなく、プロジェクトや事務所の運営を各スタッフが「自分ごと化」していく仕掛けづくり。

それから、個性を引き出して、うまく掛け合わせていくこと。

 

そのためには、やはり地の文化・習慣へのリスペクトも、新たな視点・方法を取り入れることも、どちらも重要になってきます。

加えて、まずは1人ひとりがどのような想いで業務にあたっているのかを、もっともっと知ること。

 

終礼の中では、全員が口を揃えて「この3ヶ月ほどは本当にやることが多くて、ゆっくり時間をとってミーティングをする暇さえ無かった」と言っていました。

でも、ひと段落しつつある今はスタッフ間のコミュニケーションにも時間を取ることができそうです。というか、取らなければいけないです。

その辺りをうまくリードするのも、自分の立ち位置だからこそできることの1つです。

 

 

日々の業務に対する視座を少し上げて、自分も含め1人ひとりのコンディションやモチベーションにも気を配りつつ、バランスを調整していくことが今の自分の役割なのかもしれないなあと思います。

 

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