こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。
2017年4月から始まった「カンボジア地雷埋設地域の脆弱な障害者家族への生計向上支援事業」の中で、大きな動きがありました。
本事業では、対象家族の収入源多様化を実現するために、全100世帯のうち、初年度は対象10世帯に対して養牛の技術訓練を実施します。
収入源の多様化といっても、ざっくりと長期的なもの・中期的なもの・短期的なものの3種類があります。今回の養牛はそのうち、長期サイクルの収入源に当てはまります。
バッタンバン州カムリエン郡に住む対象100家族間で、牛銀行なるものを設立し、各家庭の収入源を増やしていくのです。
(牛銀行については後日、書きます)
カウンターパートの現地NGO CRDNASEと、農林水産局のスタッフが内容や方法を練り、今日から2日間のトレーニングを開始しました。
まずは自己紹介からスタート。
2日間とはいえ、お互い、共に学ぶ仲間です。
このような時間を取り入れてくれるスタッフたちに感謝です。
その後「この2日間で何を学びたいか」をそれぞれ紙に書いていきます。
座学に入る前に、実際に牛を飼うことを想像して、1日に何をしなければならないか、意見を出し合います。
次に、牛を飼うとしたら何が必要になるか。
小屋や食べ物、薬など、思いつくものを紙に書いていきます。
その後、2グループに分かれて意見を出し合っていき、各グループのアイディアを共有します。
それらに対して、先生(CRDNASEスタッフ、農林水産局スタッフ)たちが解説を加えていきます。
途中休憩、お昼ご飯も挟みつつ・・・
午後からは主に、牛の体調管理や、病気の対処法についてのレクチャーです。
蚊に刺されないように、夜に寝る時には蚊帳をかけたり、昼間の暑い時間帯には体に少し水をかけて日陰で休ませたり。牛の体調を維持するための具体的な方法を伝えます。
同時に、病気にかかってしまった場合の対応として、先生の電話番号や、近隣の村にある獣医さんの連絡先を伝えました。
カンボジアは、日本のような四季があるわけではなく、基本的に、1年を雨季と乾季に分けることができます。牛がかかるとすぐに命を落としてしまう病気のひとつは、雨季にのみ、小さなヘビが病気を運ぶそうです。
基本的に、牛は鶏などに比べると病気にかかるリスク自体は小さなものです。しかし、長期的なサイクルでの収入源である牛が病気にかかって命を落としてしまった時の損失は大きなものになります。
それを考えると、牛の病気について知っておくことはとても重要です。
1日目は朝の8時から16時まで、休憩を取りながらではありますが、みっちりと座学でのトレーニングを行いました。
参加者の村人たちが、トレーニング開始の1時間ほど前から集まってくれていたことが、今日は何よりも嬉しかったです。現場での支援に欠かせないもののひとつである、主体性(オーナーシップ)が感じられたからです。
研修中も、手元のノートにメモをとりながら、熱心に先生たちの話を聴いている様子が印象的でした。
冒頭でも書いた通り、今回の研修は2日間です。
1日目は座学がメイン。2日目は実際に手を動かしながら、知識を体験として学んでいくことになります。
(つづく)