新卒NGO職員がゆく。

カンボジア駐在の新米"国際協力師"による、国際協力やキャリア等に関する一考察。

カンボジアで、初めて「こわい」と思った日。


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こんにちは!新卒「国際協力師」の延岡由規(@yuki_nobuoka)です。 

 

 

村落開発支援プロジェクトの対象地域のひとつ、ロカブッス村での出来事。


村にある小学校の前の土地がかなり余っているので、そこをうまく活用できないかと村の人達と半年ほど前から話し合ってきました。

その結果、今後のプランのためにもまずはため池を掘ろうということになったのです。
小学校の土地は行政に属するので、ため池を掘る前に区長さんからの許可証が必要です。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka
ロカブッス村の小学校 photo by Yuki Nobuoka

 

皆さんのイメージがどうか分かりませんが、区長さんって結構忙しいみたいです。

9月から何度かアポを取っていたんですが、直前になって別のミーティングが入ったりして、ことごとくキャンセルされてしまって。

やっとのことでスケジュールが合い、区長さんと面談をすることができたのが、10月5日のこと。

 

「あそこは地面の下に、大きな岩がゴロゴロとしているから、ため池を掘るのも大変かもね〜〜」

 

なんて笑いながら、村長さんと共に説明をした私達の計画を聞いてくれました。そして、あっさりと土地利用の許可証を発行してくれたのです。

そして、面談の最後になって、こう言われました。

 

 

 

「あそこって、まだ地雷埋まってるんじゃなかったっけ?」

 

 

地雷原とは

ロカブッス村では、人々の生活圏内の地雷撤去は2010年に完了しています。それを受けて、2011年に私達がこの村での事業を開始しました。

ここで注意しなくちゃいけないのは「地雷がなくなった」という判定は非常に難しいということ。

より、実際に即した表現にするならば、「地雷原として指定されている箇所の地雷撤去は終わった」と言えます。その後に「しかしながら、地雷原として指定されていない箇所に地雷がないとは断言できない」という言葉が続きます。

不発弾撤去においても同様のことが言えるでしょう。

それぐらい、地雷や不発弾の撤去は複雑で困難なものなのです。

ロカブッス村小学校の前の土地は、休み時間や放課後になると運動場として、子ども達が毎日のようにサッカー、縄跳びなどをして遊んでいます。しかし、それは校舎近くのみ。少し道の方に行くと草が伸び放題の茂みです。

 

ここに、地雷が埋まっているかもしれないという話なのです。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka
新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka
校庭で遊ぶ子ども達 photo by Yuki Nobuoka

 

 

 

シンプルに、こわい

以前からため池を掘る土地の視察として、村長さんと一緒に私達も何度かここを歩いていました。その時は、地雷が埋まっている可能性があるだなんて考えもしなかったです。しかし、改めて考えると、そこは「人々の生活圏」とは呼べるような場所ではありません。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka
ため池掘削予定地 photo by Yuki Nobuoka

 

 

区長さんからのひと言で、私はカンボジアに来てから初めてこわいと感じました。


これまでに、何度か地雷原に視察で行かせていただいたことはあるのですが、地雷撤去団体が活動をしている場所を訪れるというものでした。そのため「ここは地雷原だ」と事前に分かった状態での訪問です。

歩くのも、すでに地雷が埋められていないことが確認されている「安全」な通路のみ。地雷原を示す看板が目と鼻の先にあるにもかかわらず、その線さえ超えなければ地雷事故にあうことはありません。

でも今回は、すでに何度か歩いたことのあるエリア。しかも、子ども達が遊んでいる運動場から数十メートル先のこと。区長さんのひと言で一気に血の気が引いた感覚になりました。

 

 

もしも、あの時のあの一歩が、地雷の上を踏んでいたら。

 

 

地雷撤去団体の協力を得て

今日、私達が提携をしている現地の地雷撤去団体MAG(Mines Advisory Group)のスタッフに来てもらい、対象エリアのGPS情報を取得してもらいました。その情報を過去の撤去活動実績に照らし合わせてもらうのです。作業自体はすぐに終わり、照合も迅速に対応してもらいました。

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

 

 

結果として、ここも1999年に当団体が撤去作業を完了していることが分かり、一件落着。

 

安心してため池を掘ることもできるし、子ども達が遊ぶこともできます。

これで万が一、地雷撤去作業の完了が認められなかったら、MAGのスタッフらによってここからさらに調査が行われます。他の地域での作業もあり、撤去作業の完了に至るまでには2、3年かかるとも言われていたので安心しました。

 

 


日本で生活をしているとあまり想像しにくいかもしれませんが、もしもあなたの通学路、通勤路に地雷が埋まっているかもしれないと言われたら、どう感じますか。


カンボジアの特に農村地域では、そのリスクを分かっていながら農作物生産のための土地を耕すために、あるいは木材を手に入れるために地雷原に足を踏み入れざるを得ない状況にあります。


そうでもしないと、明日を生きるための収入が得られないから。

 

新卒NGO職員がゆく。photo by Yuki Nobuoka

 

カンボジアにおける地雷事故の件数や、その被害者数は年々減少傾向にあります。撤去作業の拡大や、地雷に関する知識の普及などが徐々に結果を出しているからです。

 

しかし、400〜600万個埋められていると言われるカンボジアの地雷がゼロになるには、まだまだ時間がかかります。

世界中の戦闘地域では、未だに新たな地雷が使用されています。

 

 

一度埋められると、誰かが踏んで爆発するか、撤去作業によって除去されるまで、人々の脅威となり続ける地雷を、できるだけ早く無くさないと。そして、これ以上増えないようにしないと。 

 

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